こんにちは。
このブログではこれまで、
- 部門打ちレジ
- POSシステム
- EOS端末
- 自動発注
- AI発注
など、小売システムの進化についてお話ししてきました。
今回は少し趣向を変えて、
「40年前のEOS端末と今のスマホ、どちらが高性能なのか」
というテーマでお話ししたいと思います。
答えは、技術的にはとても簡単です。
圧倒的にスマホです。
しかし、それだけで終わらないところが、小売システムの面白さでもあります。
40年前のEOS端末とは
1980年代、小売業ではEOS(Electronic Ordering System)が急速に普及しました。
店舗で発注入力を行い、
通信回線を通じて卸売業やメーカーへ注文データを送る。
今では当たり前ですが、当時は画期的な仕組みでした。
私が担当していた頃のEOS端末は、
- モノクロ液晶
- 数行しか表示できない画面
- キーボード中心の操作
- 通信速度も非常に遅い(基本的に電話回線経由でモデムを使用して送信)
というものでした。
今の若い人が見たら、
「これで仕事をしていたの?」
と驚くかもしれません。
今のスマホはまさにスーパーコンピュータ
一方、今のスマートフォンはどうでしょう。
ポケットに入る大きさで、
- 高性能CPU
- 数GB~十数GBのメモリ
- 数百GBのストレージ
- 高速インターネット
- GPS
- 高精細カメラ
- AI機能
まで搭載しています。
性能だけ比べれば、
40年前のEOS端末とは比較になりません。
現在のスマホは、当時の大型コンピュータをはるかに上回る能力を持っています。
もし40年前に今のスマホを見せたら、
「未来から来た機械」
と思われても不思議ではないでしょう。
それでもEOS端末は十分仕事をしていた
ここが面白いところです。
EOS端末は性能こそ低かったものの、
仕事はきちんとこなしていました。
なぜでしょうか。
理由はシンプルです。
目的が明確だったからです。
EOS端末の仕事は、
「発注すること」
これだけです。
メールもありません。
ゲームもありません。
動画も見られません。
SNSもありません。
発注だけに特化していたからこそ、
限られた性能でも十分に役割を果たしていたのです。
昔のシステムは「シンプル」だった
当時の画面を思い出すと、
驚くほど情報が少なかったことに気づきます。
商品コードを入力する。
数量を入力する。
送信する。
基本的にはそれだけでした。
今なら「使いにくい」と言われそうです。
しかし、迷うことも少なかったのです。
最近のシステムは便利になった反面、
ボタンも増え、
メニューも増え、
設定も増えました。
便利さと複雑さは、ある意味で表裏一体なのかもしれません。
通信は「待つ」のが当たり前
今では数秒待つだけで
「遅いな」
と感じます。
しかし当時は違いました。
発注データを送信し、
数分待つことも珍しくありませんでした。
通信速度が遅いからです。
それでも誰も文句を言いません。
「そういうものだ」
と思っていたのです。
技術の進歩は、
私たちの「当たり前」まで変えてしまいました。
壊れないことが一番大事だった
EOS端末に求められていたのは、
最新機能ではありません。
毎日、確実に動くこと。
これでした。
どれほど高性能でも、
発注できなければ意味がありません。
だから、
操作性より安定性。
新機能より信頼性。
これが最優先でした。
今でも業務システムでは、
この考え方は変わっていません。
技術は進歩しても、本質は変わらない
最近では、
クラウド。
AI。
スマートフォン。
タブレット。
さまざまな技術が登場しています。
しかし、
小売システムの目的は昔も今も同じです。
必要な商品を、
必要な数量だけ、
必要なタイミングで、
確実に届ける。
そのための仕組みです。
技術は大きく進歩しました。
でも目的は40年前と変わっていないのです。
元ベンダーとして思うこと
若い頃、
最新のEOS端末を見て
「すごい時代になった」
と思っていました。
まさか40年後、
ポケットに入るスマホの方が何千倍も高性能になるとは想像もしませんでした。
でも今振り返ると、
一番驚くのは性能ではありません。
「仕事の仕方」が変わったことです。
昔は、
「システムに人が合わせる」
ことが当たり前でした。
今は、
「人に合わせてシステムを作る」
ことが求められています。
これは性能以上に大きな進化だと思います。
まとめ
40年前のEOS端末と今のスマホ。
性能だけなら、
勝負になりません。
スマホの圧勝です。
しかし、
EOS端末にはEOS端末の良さがありました。
余計な機能を持たず、
必要な仕事だけを確実にこなす。
その設計思想は、
今の業務システムにも通じるものがあります。
元ベンダーとして思うのは、
良いシステムとは、高性能なシステムではありません。
「現場で安心して使えるシステム」
こそ、本当に良いシステムなのです。
40年前のEOS端末は、決して高性能ではありませんでした。
それでも、日本中の小売業を支え、多くの店舗の発注業務を変えた立派な主役でした。
そして今、その役割はスマートフォンやクラウド、AIへと引き継がれています。
技術は進歩しました。
しかし、「現場を支える」という使命だけは、昔も今も変わっていないのです。
次回は、
「バーコードが当たり前になるまでの苦労話」
をテーマに、POS普及以前から現在までのバーコード導入の裏側についてお話ししたいと思います。


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